井上降臨(10月24日VSぐるっぺ)

文責:ゴメ・ドゥ・ジャックリーヌ・ヤスヒロフクイ(仏)

 

「メンバーが足りません。」

井原ヒロシのメーリングリストが、例によって例の如く試合前日の昼下がりに流れる。

メーリングリストとは便利なもので、一通のメールがそのメーリングリストに加入している全てのメンバーに行き渡るようになっている。

勿論、中日ドラゴンズの井上にも。

この日、日本シリーズ第3戦を控えていた井上。

しかし、日本一も大事だが、KMLB優勝争いも大事だ。

十三でのスラッガーズの試合は17時終了予定。札幌ドームでの日ハム×中日は18時10分試合開始。

間に合う!!

井上は遠征先の札幌からスラの遠征時の集合場所・阪急河原町までやってきた。

中日で選手会長を務めるだけあり、責任感は人一倍強い井上は中日の帽子を被ったまま集合場所にいた。

ただ、移動の疲れからか、それともテレビ映りのせいか、多少顔が違う。

 

 

 

阪急電車に揺られ40分、井上率いるスラッガーズは十三に着いた。

この日十三で行われた試合はスラッガーズ主催のホームゲームとなっていた。

何故十三がスラッガーズのホームなのであろうか。

井上はそのキャラクターそのままに言い放った。

「十三がホームっておかしいよな!?ホーム球場に行くために往復780円だぜ?

 ったく、地の利もクソもねえよ!!あ、クソはあるわな。犬の糞。外野に。

地の利はねえがクソはあるってか!?わははははは。」

鹿児島出身ということもあり、井上の口ぶりはまさに九州男児そのものだった。

 

 

 

井上はぐるっぺに中日の選手であることがバレるとまずいと悟り、ユニフォームと帽子をスラッガーズのものに替えた。

その風貌はまさにジョネ。体型から、よく見りゃ顔まで似ている。ジョネの風貌をした井上…ややこしいので、登録名を森岡にした。

ファッキングラウンドに点在した水溜り除去作業のあと、スラナインは試合前アップを終えた。

そして、キャプテン・ヒロシが先発メンバーを発表する。

1番 センター  松岡

2番 ショート  道

3番 セカンド  笠原 

4番 レフト   福井 

5番 サード  新村 

6番 ライト   齋藤 

7番 ファースト 臼井

8番 ピッチャー 久野 

9番 キャッチャー森岡(井上) 

控えメンバー

井端 

森野 

マネージャー

田中(優) 

中塚 

長谷部 

藤岡 

今日のメンバーは、皆さんご存知のこのマーク・(サプライズマーク)が12人に付く大胆起用を仕掛けたヒロシ。遠征にマネが来るという。そして、井端、森野を控えにするとは…

この采配がどう転ぶのか!?

 

 

 

1回表。ぐるっぺの攻撃

久野の立ち上がり。とりあえず四球二つで塁を埋めてみる。

しかし、そっからが久野の真骨頂。直前にすき家でネバネバのかつぶしオクラ豚丼を食べた福井譲りの粘りのピッチングで相手4番をショートゴロゲッツーに仕留める。

ぐ0−0ス

 

1回裏。スラの攻撃。

1番松岡が四球、2番道齋の叩きつけるバッティングが内野安打を生みノーアウト1・2塁。ここで、下宿に畑を持つ兼業農家・カッサーこと笠原。

サードへの強い当たり!がサードのグラブをかすめて転々とする。天天有だけにね。

ノーアウト満塁。

そして、ワタクシ福井。

ツーストライク取られるものの、当てたら何かあるんじゃね(!?)精神でボールに食らいつき、最終的に左中間へのセンターフライ。松岡帰ってスラ先制。

その後、新村のキャッチャーへのフライがエラーを誘い、もう1点。

ヒロシのいぶし銀的ライト前タイムリーヒットでもう1点。

それに続くか、臼井。

その初球。

コツッ

という音とともに、ぐるっぺキャッチャーの手首がキャッチャーミットをつけたまま飛んだ。

ぎゃあああああああああああああああ

という悲鳴が秋空に響く。

この事件の謎は絶対に俺が解いてみせる。ジッチャンの名にかけて!!

謎は全て解けた。守備妨害

しかし、後続倒れて1回終了。

ぐ0−3ス

 

2回表。ぐるっぺの攻撃。

バッテリーのポロリもあり、テレビ局はこの試合の放送時間を深夜に変更。

全く、モザイクを30秒入れるのにいくらかかると思ってんの!!

傷口は広がり、ツーアウト1・2塁のピンチ。

しかし、次の打者の三塁線への強烈な当たりを新村飛び込んでキャッチ!!

そして、地面を這いながら三塁ベースにタッチ!!

俺たちダチをマジで助けるスーパープレイをウォッチ!!

ぐ0−3ス

 

2回裏。スラの攻撃。

松岡が右中間を抜くツーベース、道齋セカンドゴロで確実にランナーを進め、3・4番が相手のエラーを誘う微妙な当たりを放ち2点追加。ね、かっさ。

 

3回表。ぐるっぺの反撃。

ここまで踏ん張ってきた久野がとらえられはじめる。

それでも、松岡のフェンス際スーパージャンプキャッチや、ヒロシのウルトラダイビングキャッチが飛び出て、この回を2点で防ぐ。

ってか、この二つのビッグプレーはほんまにすごかった。これがなかったら、今日の勝利はなかったのでは、と思うぐらい。

え?もう一人の外野は何してたかって?ファンサービス。

ぐ2−5ス

 

3回裏。

ワンナウトから久野のセンター前ヒット出るも後続倒れる。

ぐ2−5ス

 

4回表。

レフトのワタクシのもとに立て続けに二つ飛んでくる。一個目は余裕のステップで楽々キャッチ。

え?もう一個はどうなったかって?バンザイ〜好きでよかった〜。

マジ親に迷惑かけた。

そんなこんなで1失点。

ぐ3−5ス

 

4回裏。

スラもゲッツーを喰らう。

否、スラでもゲッツーを喰らう。

そう表現しておこう。

ぐ3−5ス

 

5回表。

この回からヒロシがリリーフ登板。残り3イニングを全力で抑えにいく。

三者凡退。

ぐ3−5ス

 

5回裏。

快刀乱麻。一心不乱。傍若無人。優柔不断。徹頭徹尾。大胆不敵。三者三振。

ぐ3−5ス

 

6回表。

ヒロシ、なんだかんだかりでパーフェクト。

良すぎてネタにならんから…

ぐ3−5ス

 

6回裏。

三者凡退。

ぐ3−5ス

 

7回表。スラ2点リードで迎えた最終回のぐるっぺの攻撃。

弱小球団スラッガーズが強豪ぐるっぺに勝ってはいけないんだという不穏な空気が十三公園、いや大阪中に流れ始める。

その空気の中、エラー絡みでノーアウト満塁の大ピンチを迎えたヒロシ。絶体絶命。

次のバッターの当たりが三塁へのファールフライ。これを新村が奇跡のダイビングキャッチ!!新村に何か宿っている!新村がすごいことになっている!

これでワンナウト満塁。

次、セカンドのカッサーの頭上をふらふらっと上がる打球。これを名手カッサーがまさかのポロリ!しかし、その後の素早い送球で二塁封殺。1点返されるもツーアウト1・3塁。

マンガか!?

とツッコミたくなるような展開。

俄然

「バッチ来いやー!!」

の声がデカくなるスラナイン。

しかし、バッチ来いと本心で思っていた者はほとんどいなかったであろう。

みんな内心、自分のとこにだけは来るなと、

(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

であったに違いない。

それを察したヒロシ、最後のバッターを空気読んで三振に仕留めゲームセット!

ぐ4−5ス

 

後期初勝利!!

 

 

 

初勝利の喜びもつかの間に、井上は札幌へ向かった。新村はバイトへ。笠原、久野、福井は日本シリーズを見るために、17時の試合終了後、ソッコウで帰った。

笠原、久野、福井がじいの家に着いたのは18時30分。十三から1時間半でじいの家は奇跡のタイムだ。

それよりも、井上。

試合開始にはさすがに間に合わず、日本シリーズ第3戦では9番起用となってしまったが、それでも1回の守備には間に合った。凄すぎる。

日本シリーズ第3戦の結果には触れないが、井上は札幌ドームでの試合を終えた約10分後に、じいの家にやってきた。移動の天才か!?

その後、後期初勝利を祝ったのでした。

 

‐The End‐

 

<筆者あとがき>

この日の試合、ほんまに良かった。

いい所で点が取れた攻撃もさることながら、それよりも守備。ピンチでことごとく守備がピッチャーを救った試合であった。

そして、ネタの中心にしてしまったが森岡。パスボールゼロはゲキマジすげえ。

勝って嬉しかったし、何よりも試合してて楽しかった。

今日の勝利で自信を持っていいと思う。

個人的には最後のシーズンやし、ほんまに優勝したい。というか、優勝しよう。

ってことで、あと8試合。頑張りましょ。

 

ぐるっぺ 0021001 4

スラ   320000X 5

 

1.松岡(中)  四球   右2  一ゴ」  中飛  盗塁1

2.道齋(遊)  二安   二ゴ  二失   三ゴ」

3.笠原(二)  三ゴ安  遊失@ 中飛併殺

4.福井(左)  中犠飛@ 三失@ 左安

5.新村(三)  捕失@  遊ゴ  左飛」

6.齋藤(右→投)右安@  三振」 三振

7.臼井(一)  打撃妨害 三ゴ  三振

8.久野(投→右)三振   中安  三振」

9.森岡(捕)  中飛」  三ゴ  三振

 

井上(日本シリーズ第3戦成績) 遊ゴ 二安 一併殺